朝から『地獄変・偸盗』を読了する。
収録作の中では『地獄変』『藪の中』あたりが好み。特に『地獄変』はかなり好き。
『地獄変』はとある絵描きの壮絶な人生と芸術への狂気が描かれている。最高に面白いから、これだけでも普段小説を読まない人にも読んで欲しい。『羅生門』を学校の国語の授業でやるよりも、こっちをやったほうが学生は楽しめるのではないだろうか。私の通っていた学校では取り扱っていなかったような気がするが、学校によっては違うのかな。
『藪の中』では殺人事件に関して、3人の関係者がそれぞれ違う供述をしており、誰が本当のことを言っているのかわからないという話。これは前々から読んだことがあるが、やっぱり面白いなあ。真実がいつも一つなのはコナン君の世界だけなのかもしれない。
午前中にカフェで読み終わって、その足で本屋へ。『蜘蛛の糸・杜子春』を購入。
こちらは芥川龍之介が少年少女向けとして書いた作品が集められている。よって、とても読みやすい。『蜘蛛の糸』なんてあらすじくらいは誰でも聞いたことくらいはあるだろう。
午後にそれを一気読み。ページ数も少ないし、最近まで読んでいた「王朝物」と比べるとはるかに読みやすい。初心者にはこっちのほうがおすすめかもしれないな。
『トロッコ』も収録されている。『トロッコ』いいよね。子供の頃に一人で遠くまで来てしまったときの、あのなんとも言えない心細さ。わかる。
『仙人』とか『魔術』とか、結構オチがしっかりあって面白いなあ。星新一のショートショートみたいだ。最後にクスっと笑わせてくれるあたり、読み心地は最高だ。
ここ数日で芥川龍之介の小説を3冊読んだ。とりあえず一旦、芥川龍之介はおしまいにして、次の作家にいこうと思う。次は梶井基次郎がいい。『檸檬』以外は実はちゃんと読んだことがないのだ。
純文学は正直ちゃんとどっしりと読んできていない。つまみ食い程度で有名作をちょいちょい読んでいるくらい。今年は一人の作家につき3冊くらいよんで、純文学の土台を作っていこうかな。